ミニエッセイ  -思ううがまま-

故郷

川岸 冨貴

老いる程故郷は懐かしい。昭和12年入学の木崎小学校は例幣使街道と銅あかがね街道の交差する位置にあった。町は昔の宿場の名残の格子戸の家や、後年「伝食売女ちか之墓」を水上勉が視察に訪れもしたが至って落ち着いた町である。二年生の時、町に「宝焼酎」が移転して幹部の社宅には家族が移住し、その異文化の流入は正にカルチャーショック。クラスにも二人の転入があり、礼儀服装言葉・成績の優秀さに目を見張るばかりだった。学校に会社から講堂が寄付されたことで種々に利用され町は新田郡の中心のようになった。異文化の流入は現代にも通じる話で、振り返ると野育ちの私もあの時確かに変わった気がする。「宝焼酎は現在サッポロビール」

自然を大切に

河野 桂華

自然を大切にとよく言いますよね。

太陽の光で光合成をする食物のおかげで人間が生きていること、皆さんご存知ですよね。

自然に立ち戻るとありがたい事がたくさんありますね。まず、生きることを考える事の大切さを感じますね。

以前に「浮寝鳥住めば都と目をつむる」と言う俳句を私が読みましたが、食物もその地に根ざして太陽に向かって生きています。種が風に吹かれて、どこに行くかは分かりませんが、落とされた地でまた根をはります。

そう言う人で私もありたい。どこかで聞いたフレーズ( 笑)ですけど…

老女のロンドン旅

小泉富美子

この歳(73歳)でロンドンを旅してきた。本人は老女などと微塵も思ってないが、世間一般では立派な高齢者である。それを実感したのはロンドン到着日。定年退職して、よしこれからと買ったスーツケースが重くて階段( エレベーターもエスカレーターもない)を上るのに難渋した。筋力不足。そこを救ってくれたのが英国紳士。感動した。

この旅の相棒は高校の同期生。待望の大英博物館では世界史の恩師の話で盛り上がる。壮大な建物、展示物にワクワク。ここでは三人の息子連れの父親と会話ができ、英国紳士はこのような子育てが背景にあるのかと納得した。個人旅行の醍醐味である。

孫自慢

小岩 秀子

昨年の秋の事です。中学二年の男孫からの電話で、間もなく校内の合唱コンクールがあるので、見に来ませんか、と云うのです。僕のクラスの指揮は僕が当たってしまったんです、がんばるっきゃないのよ、と。人前に出ることを好まない孫の顔が、目に見えるようでした。しかし初めて誘ってくれ、即OKを出しました。当日、爺、婆は弾む思いで出番を待ちました。生徒は皆さん落着いたものです。タクトを大きく振り、三部に目を配りつつ、美しいハーモニーが流れて来ました。

さすが中学生の声は滑らかで透明ですね。結果は思いもかけず、優秀賞を戴き、クラス全員抱き合うていました。孫の一面知る事に。

寺でヨガ

設楽千恵子

公民館修復工事の為、長年通っているヨガの教室が近くの熊谷直実に縁のある法恩寺をお借りする事となった。寺院はヨガ発祥のインドのアシュラムの様なお役目を果たしていると思います。玉砂利を踏んで寺苑に入ると神聖な気持ちになります。

平成六年八月より翌年の三月迄の間をテラヨガとして通う事になり、公民館とは少し違い緊張します。「開山堂」の大きな額や奥の仏像を拝し、天井の高き空間を見詰め乍らのヨガは、高齢の私にとって二度と体験出来ないと思うと、がらんとした寺の冬の寒さや会場までの長い廊下を幾曲りする事も今は感謝の念でいっぱいです。そして春が待たれます。

カタカナの氾濫

清水 將世

今日も新聞を見ると英語も含めカタカナの氾濫、最近一層激しくなってきたように思える。アクテイビスト、M&A、ESG投資、デジタルトランスフォーメーション、デイープフエーク、ファクトチェック機能、生成AI、AIカー、ダイバーシティ、エモクラシー、エモい、コスパ、タイパ、Z世代、トー横、グリ下、ダークツーリズム等々まだまだ続く。世の中の動きが早くそして激しい証左かもしれない。1956年のハンガリー動乱の記事に衝撃を受けて以来の新聞好きな小生にとってはSNS情報よりも新聞が手放せない。アンコンシャスバイアスという言葉を心して新聞を読む。