私の一句

田口 晶子

 見つづけて全身桔梗色となる   晶子

約十八年前、「あした集」の巻頭に選んでいただいた 五句の中の一句である。― 桔梗の姿も色も説明してい ないのに、中でも青紫のあざやかな色の美しさが迫っ てくる。五句の中のこの一句で巻頭が決まった。― と、 冬男先生に評していただき、大変うれしかった。

かつて桔梗は、裏庭の竹藪を尻目に咲き乱れていた ものだ。特に鐘状五裂花の青紫は小さい頃より心を惹 かれた。以来とりこになった。また冬男先生は「白は 品で紫は格である」と言っておられたが、真紅の牡丹 より、淡い芍薬の花より、桔梗の青紫は特別だった。

屈んで眞向かっていると、本当に全身が青紫に染まっ てくる気がするのである。そんな思いからふっと降っ てきた一句である。