私の一句

鈴木 哲也

水煙草ナイル河畔の日向ぼこ   哲也

60歳で定年を迎え、自由になる時間が出来、主に海外旅行にこの時間をあてた。この句はエジプトを訪れた時のものである。俳句を始めて間もなく、未熟なところが目立つ。

少し上流のナイル河を散策中の風景が印象に残った。たて笛の型をした長いガラスのキセルで水煙草を吸っていた老人が居た。背後にナイル河が流れ、ゆるやかな時の流れが伝わって来た。

当時は元気で、走ることが楽しく早朝にホテルの周辺のジョギングが習慣になってしまった。町中を走っていると朝食作りの香りが漂ってくる。ユニークなスパイスの香りは胃袋を刺激した。

60歳台は私達夫妻にとって大変恵まれた10年であった。当時NHKの大河ドラマ「黄金の日々」を体験した。旅に出る原則を満たしていたのかも知れない。20年後の現在は「老々介護」の日々であり、厳しい現実である。