俳句の風景
宇 咲 冬 男
夏行③
祈りにはあこがれまじる虹浄土
ポカラ〈はしなくも大虹立つ〉
出離から逃げし身灼くる仏聖地
サルナート〈鹿野苑は釈尊が初めて仏教を説いた聖地〉二句
鹿亡びゐしマンゴーの緑蔭や
時空超ゆしじま涼しき座像仏
初転法輪の石仏
流灯のあまりに小さし絶へざりし
ベナレス〈ヒンズー教の聖地・沐浴のガンジス河流る〉三句
まなうらに屍焼く火や明易し
夏の露寝ねご身近かき聖の河
(句集『乾坤』より)
俳句の風景
宇 咲 冬 男
祈りにはあこがれまじる虹浄土
ポカラ〈はしなくも大虹立つ〉
出離から逃げし身灼くる仏聖地
サルナート〈鹿野苑は釈尊が初めて仏教を説いた聖地〉二句
鹿亡びゐしマンゴーの緑蔭や
時空超ゆしじま涼しき座像仏
初転法輪の石仏
流灯のあまりに小さし絶へざりし
ベナレス〈ヒンズー教の聖地・沐浴のガンジス河流る〉三句
まなうらに屍焼く火や明易し
夏の露寝ねご身近かき聖の河
(句集『乾坤』より)