俳句の風景

             宇 咲 冬 男

月を観る無冠の人になりきって

星雲の渦のしずくの良夜かな

大花野誰にも入って欲しくなし

ダイヤよりまたルビーより茨の実

やがて死ぬ落鮎は瀬に逆らわず

いのち無限なりしと雀蛤に

庖丁を研ぎ夜寒さを裏返す

(句集『塵劫』より)