俳句の風景

            宇 咲 冬 男

身のほどに初風呂の湯のこぼれけり

人好しでよしつくろはぬ初雀

猿曳きを見ず俳諧は亡びざる

初竈母の世に在る限りかも

歌かるた言葉の遊びにはあらず

くちびるのしきりに渇く冬薔薇

寒梅の一輪に胸しめつけられる

(句集『乾坤』より)