俳句の風景

             宇 咲 冬 男

冬来る野鳥の声の間の深く

紅葉散る置き忘れたる夕ごころ

初霜のきららに土のときめけり

雪ばんば雪の匂いを連れて来し

深沈と闇の鎮まる臘八会

仮の世のひとつに冬の銀河かな

焚火すや身内の燠を消さぬため

(句集『塵劫』より)