俳句の風景

             宇 咲 冬 男

去(い)にし日はまぼろしならず年立ぬ

初空のまなざし深き水明り

雪降り出づ初夢のあとかたもなく

松過ぎぬ部屋のひとつの小暗り

奴凧威を張り過ぎて真さかさま

探梅の日暮れてすがる寺の燭

榾火爆ぜほとけを惟(おも)ひ神憶(おも)ふ

(句集『乾坤』より)