俳句の風景

             宇 咲 冬 男

冬ざくら宙にも暗き渕ありぬ

女去って野の風痕となる裸木

断崖や風のつぶての冬の鳥

日を溜めてゐてつはぶきは炎えぬ花

冬の雨竹はもとより濡れてゐし

年つまる玻璃をぴしぴし星が打ち

一年の裏真っ白き古暦

(句集『乾坤』より)