あした ネット句会
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兼題「卒業」 投稿者:宗匠 投稿日:2026/02/23(Mon) 17:28 No.12765  
新たな兼題を「卒業」とします。別れの三月の中で最も大きなイベントの一つでもあります。自らが卒業する、身の回りの人が卒業する、自らのかつての卒業と、様々な捉え方が出来ます。そして傍題には「卒業生」「卒業式」「卒業期」「卒業証書」「卒業歌」「卒業す」「謝恩会」「卒業論文」などがあります。今回の締切は卒業式を終えた卒業子が街に溢れると思われる3月18日(水)頃とします。奮ってご投句ください。


Re: 兼題「卒業」 コタロー - 2026/02/24(Tue) 08:54 No.12768  

二十歳にて晴れて高校卒業す
鬼教師涙隠せぬ卒業式
一枚の卒業証書の重さかな


Re: 兼題「卒業」 雪達磨 - 2026/02/25(Wed) 22:38 No.12769  

卒業子蹲踞の姿勢で礼つくし


Re: 兼題「卒業」 みぃすてぃ - 2026/02/26(Thu) 12:53 No.12770  

丈合はぬ学生服や卒業す


Re: 兼題「卒業」 雪達磨 - 2026/02/26(Thu) 20:32 No.12771  

学位記ややうやう手にして咽び泣く


Re: 兼題「卒業」 詩雨 - 2026/03/01(Sun) 14:28 No.12772  

卒業す淡い思いを秘めたまま


Re: 兼題「卒業」 ゆき - 2026/03/03(Tue) 22:11 No.12773  

チラ見せや卒業証書の摩訶不思議


Re: 兼題「卒業」 郁文 - 2026/03/03(Tue) 22:13 No.12774  

定期券七日残して卒業す
ありがとう黒板へ記し卒業す
汚れたる部室を掃除卒業す



Re: 兼題「卒業」 みさ - 2026/03/04(Wed) 22:06 No.12775  

金釘の寄せ書き抱き卒業す
空耳か卒業の日の妣の声
卒業歌仮設の講堂揺らしをり


Re: 兼題「卒業」 雪達磨 - 2026/03/05(Thu) 02:16 No.12776  

卒業子モラトリアムを生かし旅


兼題「春疾風」の講評 投稿者:宗匠 投稿日:2026/02/23(Mon) 17:13 No.12764  
兼題「春疾風」に83句もの投句をいただき有難うございます。今日2月23日の東京は4月下旬並みの暖かさで、気象庁の発表によると春一番が吹いたとのこと。さて、今回の「春疾風」の兼題で「春荒れ」という季語で詠んだ方もおられましたが、「春荒れ」は「春嵐」の傍題である、また別の季語になりますので、今回の兼題の「春疾風」の句にはなりません。また、いつもは季語が動く、即ち、他の季語でも詠める句が多かったのですが、今回はむしろ「春疾風」という季語を活かしていない、言い換えれば「春疾風」には似合わない句が多かったように思いました。そのためは入選以上の句がいささか少なかったmかも知れません。ではそんな指摘も含めて、講評をさせていただきます。

□選者選と講評

(予選)
1.春はやち洗濯物の挟み痕  郁文 →悪くはないのですが、もう一つ季語を活かしていません。
2.春のはやて悩むことなどなにがある 影法師→表現がやや曖昧です。
3.春疾風心頭滅却只管打坐  雪達磨→やや付かないかと思います。この表現はむしろ夏の暑さに合いそうです。
4.春はやち人と知り合う赤提灯  郁文 →春疾風の中の赤提灯は大いに揺れて、しんみり人と知り合う雰囲気ではないです。
5.春荒や風雷神の鋭き眼  みさ →「春荒れ」は「春嵐」という別の季語の傍題になります。 
6.新宿の灯影ゆらげり春疾風  みさ →「新宿の灯影ゆらすや春疾風」
7.春疾風株価狂乱夢の毎  雪達磨→三段切れのようです。
8.春疾風史実に学ぶ火の用心  雪達磨→目の前のリアルな春疾風に接した気持ちや景を読むべきです。
9.御せずとも共に駆け出す春疾風 広海 →春疾風が主役になっていません。「内気なる我を押し出す春疾風」
10.春疾風冬のコートはまだ要りし 川口あおい→「冬」「コート」が冬の季語で季語が3ツ
11.春疾風冬のコートはもう要らず 川口あおい→「冬」「コート」が冬の季語で季語が3ツ
12.下校子にたたら踏ませる春疾風 しーしー→まずまずです。 
13.欠航の漁船ぶつけし春疾風  コタロー→「舫舟(もやいぶね)揺らしぶつける春疾風」
14.通勤者の傘を折らむと春疾風  コタロー→「通勤の傘奪い取る春疾風」
15.春疾風雲を動かし日を隠す  コタロー→「春疾風雲も日差しも手玉にし」
16.悠悠とありのままなり春疾風  みぃすてぃ→季語を活かしていないと思いました。
17.揺れ止まぬ小さき庵春疾風  みぃすてぃ→「春疾風我が庵揺れつ耐えており」
18.古書街は人もまばらや春疾風  みぃすてぃ→春疾風という季語に対して上五、中七が弱いと思います。
19.春疾風波を蹴立てて親不知  俳徊人 →「春疾風」はむしろ地上で見る現象であり波を立たせるのは「春涛」かと。 
20.候補者のポスター剥がす春疾風 俳徊人 →「剥がす」は言い過ぎです。「候補者のポスターひらと春疾風」
21.立ち話一瞬止むる春疾風  俳徊人 →いささか散文的「立ち話止める一瞬春疾風」
22.腕白の声をかどはす春嵐  荒 一葉→中七の「声をかどはす」が良く分かりませんでした。
23.日のうちに昼を灯して春疾風  荒 一葉→「昼を灯す部屋に聞こゆる春疾風」
24.春疾風安城ヶ原の田を駆けて  リタイア→固有名詞を使う場合は全国区で知れたものを使うのがポイントです。
25.鬱の日の吾を吹きとばせ春疾風 萌  →もっと素直に「わが胸の鬱吹き飛ばせ春疾風」
26.陣痛の激しさ増して春疾風  リタイア→中七の「て」留めは散文になるので可能な限り回避すべき「陣痛の激しさ増しぬ春疾風」
27.お地蔵の屋根を飛ばして春疾風 せつこ→この句も中七が「て」留め。「お地蔵の屋根飛ばしおり春疾風」」
28.登校の黄帽つぎつぎ春疾風  せつこ→「登校の黄帽奪いぬ春疾風」
29.野仏の供花を散らして春疾風  せつこ→この句も中七の「て」留め。「野仏の供花散らしており春疾風」
30.風見鶏厭ふ夜更けの春はやち 光雲2 →「厭う」が良く理解できませんでした。
31.春疾風みだれた髪に急ぎ足  かくた まき→もっと踏み込んでほしかったです。
32.釣宿に酒酌み交はす春疾風  いつせ →春疾風が活きていないと思いました。
33.襟を立て首をすくめて春疾風  リタイア→「襟を立て」は冬の季語です。
34.ウインクの両目をつむる春疾風 凡愚痴歌→「ウインクに両目つむらす春疾風」
35.春疾風家族旅行の待ち遠し  凡愚痴歌→「春疾風家族旅行を急かすかに」
36.武蔵野線またも遅延や春疾風  山葡萄 →まずまずです。
37.愛犬もたじろぐ夜や春疾風  山葡萄 →「や」→「の」としないと春疾風に繋がりません。
38.妻臥して厨に留守や春疾風  山葡萄 →「厨の留守」?むしろ「妻臥して厨がらんと春疾風」
39.春疾風戻つてこないブーメラン 風神  →「春疾風戻り忘るるブーメラン」発想は良いです。
40.鳥の餌を春の嵐が吹き飛ばし  川端  →それでどうした、と言われそうな句です。   
41.恋失せしこの身を襲ふ春疾風  川端  →「恋失せしこの身なお責む春疾風」  
42.春荒や海賊船は欠航す  ひろ志 →「春荒れ」は「春嵐」の傍題で別の季語になります。
43.春はやて螺階段行止り  ひろ志 →「螺」は「螺旋」の脱字でしょうか?
44.凡々の暮らしに活や春疾風  さかえ →まずまずです。
45.人の世の横暴諌め春疾風  さかえ →悪くないものの、やや抽象的です。
46.春疾風選挙を待たず吹きまくる 6105→もう一歩です。
47.春疾風髪の毛逆に梳いている  6105→確かにそうなのですが・・。
48.春疾風WBC襲いけり  穣一  →「春疾風WBC連れて来し」
49.春疾風又も親父に盾を突き  穣一  →「春疾風父に盾突く日のありき」 
50.初恋の如く消え去れ春疾風  山流  →「初恋は淡く激しく春疾風」
51.春疾風今日は何処まで飛ばすやら 山流 →目的語がないために句がボケます。
52.春疾風松と寄り添ふ庵かな  桉音  →風にも強い松と寄り添うという意味でしょうか?  
53.議事堂は修築予定春疾風  桉音  →いまいち季語に付かないように思います。

(入選)
1.春疾風目鼻うすれし塞の神  ゆき →春疾風と風雨にさらされて凹凸のなくなった賽の神が合います。
2.島唄の消えゆく荒磯春疾風  ゆき →時代の変遷が窺える磯辺に吹く春疾風が良いです。
3.鎮魂の海をゆるがし春疾風  ゆき →戦争のあった海でしょうか。春疾風の激しさが付きます。
4.立ち向かう気力も大事春疾風  詩雨 →上五、中七は作者の気持ち。その気持ちに春疾風が付きます。
5.ビル街の残務の灯り春疾風  みさ →夜業は秋の季語ですが、残務の灯りで季語になりません。春疾風で厳しさが出ました。
6.春疾風行方をじっと聴いている 広海 →この句は春疾風を視覚ではなく聴覚で詠んでいます。
7.春はやて佐渡を沖へと追いたてる しーしー→島は動きませんが、心象句としては成立します。
8.春疾風外れ馬券が宙に舞う  杏だんて→最後を「〜宙に舞い」とすることで、上五に戻ってリフレイン効果が出ます。
9.先頭は紫紺のたすき春疾風  杏だんて→駅伝でしょうか。紺のたすきが効いています。
10.待ち人の来ぬ街角や春疾風  荒 一葉→「待ち人は未だ街角に春疾風」と破調にすることで不安感が出ます。
11.春疾風風にか弱き京葉線  萌  →面白い句です。押しなべて旧国鉄のJR線は風にも雨にも弱いと感じています。
12.飛ばされしメモ書きさらば春疾風 萌 →まずまずです。
13.観音の裳裾吹きぬく春疾風  光雲2 →春疾風と観音様の取り合わせは新鮮でした。
14.春はやちキリリと結ぶ吾子の髪 光雲2 →若々しいお子さんのまなじりを上げた顔が浮かびます。 
15.肩強く寄せ合うて行く春疾風  いつせ →春疾風を擬人化しても良かったかとは思いました。
16.頼もしき兄に挟まれ春疾風  凡愚痴歌→優秀な兄たちに挟まれて翻弄されている作者が見えます。
17.シャガールの空飛ぶ馬よ春疾風 風神  →絵画と春疾風の取り合わせもまた斬新でした。
18.母一人耐へる母屋や春疾風  川端   →春疾風に揺れながらも持ちこたえている母の住む母屋が見えます。 
19.間伐のしるしは赤し春疾風  ひろ志 →季語との離し方が良いと思いました。
20.惨敗の中道連合春疾風  さかえ →時事句です。今回の自民党圧勝は確かに春疾風のようでした。
21.春疾風水琴窟の音盗む  6105→水琴窟では管に耳を当ててで水滴の音を聞きますが、それを消すような春疾風であると詠んでいます。
22.春疾風見下ろす風神雲の上  穣一  →春疾風をその上から風神に見させているとうなかなか大きな句です。
23.戸締りをしてもずかずか春疾風 山流  →春疾風の乱暴狼藉ぶりを上手く詠みました。
24.突き進む沿岸列車春疾風  桉音  →読み方には「擦り付け」と言って反対のものを付ける方法もありますが、これは共に早いものを付けています。

(秀逸)
1.春疾風たてがみなびく競馬場  郁文 
  →季語への付け方には同質、同様のものを付ける方法と、まったく正反対のものを付ける方法があります。この句は同じスピードのある春疾風と、疾走する競走馬とを取り合わせて成功しています。ファンファーレが鳴り響き、出走を待つ競走馬と春疾風が見事に合っていて、鮮やかで大きな景の句になりました。

2.春疾風就活乙女今日も行く  影法師
  →この句は厳し就職戦線を代弁する春疾風に向かって口を真一文字に結んで就活に励む女学生を付けています。なかなか貰えない内定を目指して今日もまた春疾風の中を歩む姿が見えます。

3.古書店の扉の外は春疾風  広海 
  →季語への付け方のもう一方である、正反対のものを付けるという方法を選んだ句です。静謐な古本の紙の匂いだけが漂う静まり返った古書店内と街に吹き荒れる春疾風を対比させています。片方が静かであるほど、春疾風の激しさが浮き彫りになります。

4.春疾風大きくかしぐ屋敷林  しーしー
  →これは春疾風の吹く様を詠んだ句です。屋敷林とは埼玉、群馬、栃木、茨城等の北関東の内陸で吹く風から家を守るために家の周り植えられた樹木を指します。その防風林も傾ける程の春疾風であると詠んでいます。地域の特性を上手く詠みました。

5.フラッシュバックせし青き日の春疾風 太朗
  →春疾風の一瞬の風圧に、一瞬にして若かりし日の思い出が蘇ったという句です。かつてこの春疾風の中で自分はどこに行こうとしていたのだろうかなど、本の一瞬、苦い思いで振り返ったのでしょうか。

6.春疾風タクト激しきマエストロ 風神  
  →クラッシックの演奏会でタクトを振る指揮者に春疾風を付けました。演奏している曲の佳境に入って、髪を振り乱しながら大きく力いっぱいに振られているタクトが生き物のように見えてくる句です。


以上で83句の講評を終えます。
新たな兼題はまた後ほど、

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