あした ネット句会
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兼題「陽炎」 投稿者:宗匠 投稿日:2025/03/30(Sun) 15:20 No.12218  
新たな兼題を「陽炎」とします。陽炎は日光が照りつけた地面から立ちのぼる気で揺れて見える現象であり、また捕らえがたいものやすばしこいもののたとえとしても使われます。春を通して使える三春の季語であり、傍題には「糸遊」「遊子」「野馬」「かぎろい」等があります。今回の締切は4月21日頃とさせていただきます。お一人3句までのルールをお守りいただき奮ってご投稿ください。


Re: 兼題「陽炎」 柚子改 向田敏 - 2025/04/01(Tue) 13:55 No.12220  

陽炎の向う側より江ノ電来
陽炎や「電報です」の声聞こゆ
陽炎の手招くを見し靴洗ふ

兼題「石鹸玉」では、秀逸と入選を有り難うございました。


Re: 兼題「陽炎」 リタイア - 2025/04/02(Wed) 15:35 No.12221  

陽炎や母さんの声したような


兼題「石鹸玉」の講評 投稿者:宗匠 投稿日:2025/03/26(Wed) 19:12 No.12217  
今回は講評稿のアップがかなり遅れましたことをまずお詫びします。今回の兼題「石鹸玉」に90句もの投句をいただき有難うございました。今回の兼題は実際に目に見えるものであり、誰もが一度ならず経験した子供の遊びであることから、詠みやすいかと思っていましたが、余りにも石鹸玉から離れた句、この季語に付かない事象を取り合わせた句などが多く、思ったほど入選以上の句が出ませんでした。私の添削やコメントをご覧いただき、季語との付き具合、離れ具合等をご確認ください。

□宗匠選と講評
(予選)
1.石鹸玉魅入る赤子や虹の頬     みぃすてぃ→盛り込みすぎで焦点がぼけました。
2.兄妹追ひかけてゆく石鹸玉     みぃすてぃ→季語が動きます。
3.しゃぼん玉風のへこみは虹の色   タケオ→もう一歩です。 
4.しゃぼん玉いつしゅん犬の鼻かすめ タケオ→季語が生きていません。
5.子と夢の数だけ吹かむ石鹸玉    ゆき →「夢の数子と共に吹く石鹸玉」
6.変幻の空駆ける龍シャボン玉   リタイア→いささかオーバーかと。
7.シャボン玉回転ドアをすり抜けて コタロー→そんな場所で吹くでしょうか?
8.メンソール止め夜の屋上のシャボン玉 コタロー→意味が理解できませんでした。
9.マンションの壁をひと群れ石鹸玉  しーしー→平板です。もっと踏み込みましょう。
10.石鹸玉丸い紫煙を残し消え     しーしー→「紫煙」は煙草では?
11.縁側に息づくドーム石鹸玉     しーしー→「ドーム」は流石にオーバーかと。
12.古傷の数だけ吹きししやぼん玉   右陣平→まずまずです。
13.しやぼん玉吹く恋の数数えつつ   右陣平→もう一歩です。
14.子と遊ぶ犬の瞳に石鹸玉      みさ →これもまずまずです。
15.しやぼん玉爆ぜて一件落着す    みさ →若干季語に付かないと思います。
16.しゃぼん玉子等の追ひゆく近未来  光雲2 →しゃぼん玉にしては表現が硬い印象を受けました。
17.しゃぼん玉風景乗せて遠ざかる   光雲2 →「七色に移す世相やしゃぼん玉」
18.見極める風の行方やシャボン玉   光雲2 →上五が理解できませんでした。
19.をさなくて別離を知らずしやぼん玉 凡愚痴歌→もう一歩です。
20.石鹸玉ほんとのラブはどれとどれ  凡愚痴歌→イマイチです。
21.しやぼん玉隣近所をわきまえず   山葡萄→季語が生きていません。
22.出稼ぎの父の土産よ石鹸玉     山葡萄→出稼ぎの土産になるほど大したものではないと思うのですが・・。
23.しやぼん玉一朶の雲へ飛ぶ一つ   山葡萄→「しゃぼん玉一朶の雲に憧れて」
24.壊れ行く身を乗り越えてしゃぼん玉 川端→季語が生きていません。
25.走り行く子等を見下ろすしゃぼん玉 川端→平板です。
26.シャボン玉枯れ行く命また明日 和唯(小6)→中七がもう一歩です。
27.天国へ美でもあわれなシャボン玉 和唯(小6)→いささか言葉足らずのようで分かりませんでした。
28.しゃぼん玉吹き方忘れ眠る母 かく たまき→状況が意図がよく理解できませんでした。
29.毀れるまで見送る子らやしゃぼん玉 俳徊人→まずまずです。
30.膨らませ顔にピシャッとしやぼん玉 俳徊人→詩がないように思います。
31.しやぼん玉屋根まで飛ばず爆ぜにけり俳徊人→平板です。
32.夢破れ夢を生み出す石鹸玉     山流→言葉遊びの技巧に走りすぎました。
33.石鹸玉姪が幼き頃してた      川口あおい→「石鹸玉吹けば幼き頃の姪」
34.石鹸玉消えゆく影に移ろうや    川口あおい→曖昧な表現かと思います。
35.石鹸玉風景をのみ切り取って    川口あおい→もう一歩踏み込んでください。
36. 顔彩は十二色なり石鹸玉      せつこ→顔彩と石鹸玉の結びつけは無理があります。
37. 行く先を風に尋ねつ石鹸玉     せつこ→断定するべきです。「行く先は風に尋ねる石鹸玉」
38.泣けば済むさうはいかないしやぼん玉 荒一葉→もう一歩です。
39.我を忘れし母しやぼん玉はじけ   荒一葉→あまり共感を呼ばない物言いかと思います。
40.イベントの子らを飲み込むしゃぼん玉 6105→いささかオーバーかと。
41.しゃぼん玉流れる角の紙芝居    6105→「しゃぼん玉流るる先に紙芝居」
42.しゃぼん玉日矢射す顔の百変化   6105→誰の顔でしょうか?
43.潔く弾けて意地のシャボン玉    まさか→意味が今一つ分かりません。
44.大空に飛ばす子の夢石鹸玉     風神→平板です。
45.重力に負けじと飛ぶや石鹸玉    風神→遊びに重力など持ち出すべきではないと思います。
46.子の夢の生まれては消え石鹸玉   風神→平板です。
47.石鹸箱吹きてしゃぼんの泡飛ばす  むさし→これも平板です。
48.しゃぼん玉作れず拗ねる三歳児   むさし→そんなに難しいことではないと思うのですが・・。
49.一碧の空へ小さな石鹸玉      政枝 →平板です。
50.友達になれそうな気が石鹸玉    政枝 →「友達になれそうな気の石鹸玉」
51.みんな夢風に凭るる石鹸玉     政枝 →「みな夢を風に預ける石鹸玉」
52.我が地球宇宙に消えぬしゃぼん玉  郁文 →「シャボン玉地球宇宙に消ゆるごと」
53.しゃぼん玉必死に追うや犬子供   郁文 →まずまずです。
54.数多飛び数多こわれししゃぼん玉  穣一 →平板です。
55.ミクロンの膜は虹色しゃぼん玉   穣一 →その通りではあるのですが・・。
56.明日目指す我と飛び行くしゃぼん玉 穣一 →「明日目指す我は飛び行くしゃぼん玉」
57.一瞬の七色まぶし石鹸玉      ふみ →まずまずです。
58.初恋のいにしへ憶ふ石鹸玉     ふみ →「初恋のはかなき色や石鹸玉」
59.石鹼玉空気たべてもふとるひと   桉音 →面白いのですが、この擬人化には無理があります。
60.石鹸の溜め息ぽつり玉ぷちり    桉音 →これではシャボン玉の句にならないと思います。

(入選)
1.石鹸玉一つは空の彼方まで     達三 →沢山のシャボン玉の中の一つだけ高く舞ったところに詩があります。
2.パリの空恋しかりけり石鹸玉    柚子 →シャンソンでも流れてくる景が思い浮かびます。
3.飛びゆくかはじけてみるかしやぼん玉 柚子→人の生き方になぞらえています。
4.映りをる明日の瞳やしゃぼん玉   みぃすてぃ→吹く人の眸の中のシャボン玉を詠みました。
5.いつの日か消ゆる命やしゃぼん玉  タケオ→これも人の生きざまに重ねて詠んでいます。
6.数多消えなお追う夢や石鹸玉    影法師→自らの人生を儚いシャボン玉に映しています。
7.シャボン玉空の母さん見えますか  リタイア→シャボン玉に母を思う句です。
8.ぐづる子へふはりと飛ばす石鹸玉  ゆき →ぐずる子とシャボン玉の対比が良いです。
9.ふはふはとゆめふくらめるしやぼんだま ゆき→季語の説明をしただけですが、表現が柔らかで付きます。
10.しゃぼん玉白杖の仔の口元へ    コタロー→ちょっと切ない句に仕上がっています。
11.老いてなほしやぼん玉吹く道化かな 右陣平→道化の化粧の下にどんな顔があるか想像してしまいます。
12.ちやぶ台の暮しなつかし石鹸玉   みさ →シャボン玉もまた昭和を背負っているのでしょうか。
13.ねえさんのああこのかほり石鹸玉  凡愚痴歌→嗅覚でシャボン玉を詠みました。
14.しゃぼんだまおんなばかりのはかりごと 東馬→なかなか面白い句です。シャボン玉ゆえに不穏になりません。
15.喜びを虹色に変えしゃぼん玉    川端→吹く人の気持ちを表現しました。
16.シャボン玉儚き恋と消えてゆく 和唯(小6)→悪くないのですが、「シャボン玉消える儚き恋に似て」では?
17.国道を渡りだしたぞしゃぼん玉   いつせ→場所の設定が上手いと思いました。
18.石鹸玉昭和の路地の五人組     山流→スマホやオンラインゲームの無い時代のノスタルジーがあります。
19.法螺吹きは大きく飛ばす石鹸玉   山流→真偽は別にして面白い発想です。
20.憧れはお空の雲よ石鹸玉      せつこ→石鹸玉を擬人化しました。
21.鎮魂の海にはかなししやぼん玉   荒一葉→中七がいささか言い過ぎの感もあります。
22.しゃぼん玉風に連れられ見放され  むさし→シャボン玉の性情を上手く表現しました。
23.不覚にも吸いて鼻よりしゃぼん玉  郁文 →ギャグのような句ですが、俳諧味があります。
24.じじゅんのこははにみしょとやしゃぼんだま ふみ→作者は60歳、その母は80歳を悠に超えているでしょうか?
25.痛かつたこと忘れる子シャボン玉  桉音 →痛さを忘れてシャボン玉を見上げる子の姿が見えます。

(秀逸)
1.石鹸玉生まれて消えし恋いくつ   太朗 
  →シャボン玉は輝くように生まれては儚く消えます。そんなシャボン玉に恋の行方を重ねる句はかなり見受けられます。しかしこの句の中七と下五は、自らが経験した様々な恋を的確に、また決して少なくはなかったと詠みあげていて、まとまった句に仕上がっています。

2.しやぼん玉吹きて心の軽さかな   柚子 
  →気持ちを文字や言葉にして発することで気持ちが伝わったり、心のわだかまりが消えることがあります。重たい言葉、苦しい気持ちを沢山抱える程人の心は大きくありません。吐き出すことで変わることもあります。そんなことをこの句はさらりと下五の「軽さかな」という言葉で表現しています。

3.転校生誘うキッカケシャボン玉   リタイア
  →かつて学んだ学校での出来事でしょうか?転校して来てまだ周りとなじめない生徒に声を掛けてシャボン玉を吹いたのでしょう。小さな声掛けがきっかけで友達になれたのかも知れません。シャボン玉はそんな明るい展開に似合います。

4.しゃぼん玉吹きぬ涙の枯れるまで  詩雨 
  →いささかシリアスな句です。涙をこらえきれないような辛い出来事があったのでしょう。それでも前に進もうと何度も何度もシャボン玉を吹いたという句です。そんな辛さはシャボン玉だからこそ、きっと晴れたのだと思わせる句でもあります。

5.石鹸玉私の息が七色に       いつせ
  →美しい句です。美しい発想です。自分の気持ち自分の呼吸、自分自身が七色に輝くシャボン玉として舞っているという表現は、純粋にシャボン玉の佳句であると思いました。季語が全く動きません。「決まった」と言って良い句であると思います。


以上で90句の講評を終えます。
新たな兼題はまた後ほど、

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