あした ネット句会
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兼題「夜長」 投稿者:宗匠 投稿日:2018/09/04(Tue) 10:21 No.7702  
新たな兼題を「夜長」とします。傍題には「長き夜」「夜の長さ」「夜長し」があります。秋になると確実に日暮れが早まり朝もなかなか明るくなりません。その分、読書、夜咄、夜なべ仕事など夜の活動も活発になりますし、また夜に物思うことも増えます。そんな長き夜に託ったあなたらしい句を捻ってください。なお、お一人3句まで限定のルールは引き続きお守りください。


Re: 兼題「夜長」 志水寿翠 - 2018/09/05(Wed) 00:23 No.7703  

点滴の雫数える夜長かな


Re: 兼題「夜長」 もも一号 - 2018/09/05(Wed) 12:22 No.7704  

いつも、お忙しいなか丁寧なご指導ありがとうございます。 ところで恐れ入りますが 61、62はどなたかのお作で御座いますので。

肝心の俳句のほうはまだできません。すみません。


Re: 兼題「夜長」 宗匠 - 2018/09/05(Wed) 13:09 No.7705  

もも一号さん、未音さん:

大変失礼しました。
もも1号さんに関しては3句限定をお守りいただいていたにも拘らず、違反者扱いをいたしましたことをお詫び申し上げます。また未音さんに関してはお名前を間違ってしまいましたことお詫び申し上げます。これらのことは無償のボランティアだからとか、忙しいからなどという言い訳の効かない事象であることであると思っております。
まずはお詫び申し上げますとともに、これに懲りず投句いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
取り急ぎお詫びとお願いまで、


Re: 兼題「夜長」 コタロー - 2018/09/05(Wed) 21:17 No.7706  

マンションの一灯消えぬ夜長かな
長き夜の猫の寄り添ふテレビかな
亡き祖母の愛でし揺り椅子長き夜


Re: 兼題「夜長」 一二三 - 2018/09/06(Thu) 21:49 No.7707  

里山の女遠ざけ夜長なり


Re: 兼題「夜長」 一二三 - 2018/09/09(Sun) 06:59 No.7708  

長き夜や岬に隠れ岩置きて

皆さんのご投句を待ち望んでいます。


Re: 兼題「夜長」 太朗 - 2018/09/09(Sun) 10:44 No.7710  

長き夜や語り部の語尾ゆったりと


Re: 兼題「夜長」  - 2018/09/09(Sun) 12:31 No.7711  

静けさの中に文書く夜長かな

秀逸ありがとうございました。


Re: 兼題「夜長」 貝寄せ - 2018/09/10(Mon) 00:09 No.7712  

塩味のカール食べたし夜長し


Re: 兼題「夜長」 源助 - 2018/09/10(Mon) 09:57 No.7714  

長き夜や筆圧残る置き手紙
珈琲の豆の零るる夜長かな
長き夜や栞はみづる文庫本


Re: 兼題「夜長」 郁文 - 2018/09/10(Mon) 10:36 No.7715  

夜長し愚痴あう相手老女将
長き夜の句帳に残る走り書き
読経の終わる通夜の夜長かな



Re: 兼題「夜長」 一二三 - 2018/09/10(Mon) 13:12 No.7717  

山曇り湖は晴れつつ夜長かな


Re: 兼題「夜長」 杏瑠莉 - 2018/09/10(Mon) 20:34 No.7718  

長き夜やシンクに溜まる洗い物


Re: 兼題「夜長」 瞳人 - 2018/09/11(Tue) 09:46 No.7719  

ペン胝や古女房のかほ夜長


Re: 兼題「夜長」 瞳人 - 2018/09/11(Tue) 10:43 No.7720  

ごめんなさい。7719 一字抜けました。

ペン胝や古女房のかほ夜長し


Re: 兼題「夜長」 未音 - 2018/09/11(Tue) 20:57 No.7721  

長き夜の時刻表にて巡る旅

お手玉を握るリハビリ夜長し

アルバムの詰め襟の君夜長かな

いつもご指導いただき、有り難うございます。とても勉強になります♪


Re: 兼題「夜長」 もも一号 - 2018/09/11(Tue) 21:41 No.7722  

耳鳴りと付き合うている夜長かな

本棚の整理すすまぬ夜長かな

ご挨拶痛みいります。どうぞ宜しく御願い申し上げます。


Re: 兼題「夜長」  - 2018/09/12(Wed) 13:42 No.7723  

震災の停電といふ夜長かな
酔へばまた自慢話となる夜長
くずし字を詠み解きほぐす夜長かな


Re: 兼題「夜長」 杏瑠莉 - 2018/09/12(Wed) 20:49 No.7724  

草枕寝れぬ夜長の星静か


Re: 兼題「夜長」 照幸 - 2018/09/13(Thu) 07:33 No.7725  

確かなる三半規管夜長かな


Re: 兼題「夜長」  - 2018/09/13(Thu) 12:24 No.7726  

犯人の分かるまで読む夜長かな


Re: 兼題「夜長」 明人 - 2018/09/13(Thu) 16:44 No.7727  

時間飛行ラジオが誘ふ夜長かな

ミステリーの手に捕まるる夜長かな

鳴くための夜長だれかが泣いている


Re: 兼題「夜長」 すて - 2018/09/13(Thu) 17:16 No.7728  

松籟に灯す情報機器夜長


Re: 兼題「夜長」 祥風 - 2018/09/14(Fri) 15:05 No.7729  

長き夜や入院先の靴の音
読経の終わる通夜の夜長かな
それぞれに長き夜に入る老夫婦


Re: 兼題「夜長」 さかえ - 2018/09/15(Sat) 10:57 No.7730  

ひたすらに筆を走らす夜長かな

羽織るもの一枚欲しき夜長かな

長き夜や目明かし駆ける捕物帖


Re: 兼題「夜長」 俳徊人 - 2018/09/15(Sat) 11:41 No.7731  

長き夜や妻の内職捗れり
俳句てふ恋におちたる夜長かな
自治会の役定まらず夜の長し


Re: 兼題「夜長」  - 2018/09/16(Sun) 12:42 No.7732  

縫物を仕上げし後の夜長し


Re: 兼題「夜長」 照幸 - 2018/09/17(Mon) 16:15 No.7733  

はなやかなベイブリッチの夜長かな


Re: 兼題「夜長」 ぐずみ - 2018/09/17(Mon) 19:10 No.7734  

志望校決めた二階は夜長の灯


Re: 兼題「夜長」 みなと - 2018/09/17(Mon) 20:38 No.7735  

長き夜や妣の十八番を口遊む 

夜長し形見の釣果日誌読む
 
掛け時計夜の長さの刻打てり


Re: 兼題「夜長」 瞳人 - 2018/09/18(Tue) 10:22 No.7738  

長き夜や小さき倖にてもう五勺


Re: 兼題「夜長」 照幸 - 2018/09/18(Tue) 11:51 No.7739  

スケボーのくるり回転夜長なる


Re: 兼題「夜長」 川端 - 2018/09/18(Tue) 18:01 No.7741  

愛猫の早く寝ろよと啼く夜長

一度寝て二度寝三度寝夜長し

明朝に待ち人来る夜長し


Re: 兼題「夜長」 比良山 - 2018/09/19(Wed) 05:12 No.7742  

宗匠様。いつもご丁寧なご指導有難うございます。
「長夜」の投句致します。

長き夜や厠の蜘蛛の糸濡れて
長き夜や厠の灯り滲みをり
俳句誌のバックナンバー読む長夜

以上宜しくお願い致します。


Re: 兼題「夜長」 久米斗三 - 2018/09/19(Wed) 09:46 No.7743  

終活の想ひ一先ず夜長かな
かどかどの信号点滅夜長し
長き夜や不眠をいなすストレッチ


Re: 兼題「夜長」 小 幸 - 2018/09/19(Wed) 10:33 No.7744  

熊の出る分校の庭夜の長し


Re: 兼題「夜長」 東西南北 - 2018/09/19(Wed) 22:21 No.7747  

妻の愚痴口が減らない夜長かな
妻里へ暇持て余す夜長かな
夜長し夜間飛行のラジオ酒


Re: 兼題「夜長」 いつせ - 2018/09/20(Thu) 11:01 No.7748  

恋などを哲学しをる夜長かな
飲み過ぎは長き夜の所為きつとそう

よろしくお願いします。


Re: 兼題「夜長」 小 幸 - 2018/09/20(Thu) 16:57 No.7749  

メガネ玉よく曇る灯の夜長かな


Re: 兼題「夜長」 まこと - 2018/09/20(Thu) 19:58 No.7750  


長き夜江戸川乱歩三冊目

夜長し造花一輪三十銭

秒針のリズムが響く長き夜


Re: 兼題「夜長」 本松天道 - 2018/09/20(Thu) 20:36 No.7751  


初孫の産声を待つ夜の長さ

恍惚の歓喜溶け合う長き夜



Re: 兼題「夜長」 本松天道 - 2018/09/21(Fri) 05:57 No.7752  


耳元の小さな寝息夜長し


Re: 兼題「夜長」 もも一号 - 2018/09/21(Fri) 17:25 No.7754  

長き夜やちぐはぐ話す老い二人


Re: 兼題「夜長」 みさ - 2018/09/21(Fri) 19:05 No.7755  

ガラス玉吹く工房の夜長の灯
聞香に膝寄せ合ひて夜長し
聞香やほのぼのとして夜長の灯


Re: 兼題「夜長」 小 幸 - 2018/09/22(Sat) 07:16 No.7756  

賓頭盧の通天閣の夜長かな


兼題「秋祭」の講評 投稿者:宗匠 投稿日:2018/09/04(Tue) 08:17 No.7700  
兼題「秋祭」に94句もの投句をいただきました。但し、一人3句というルールを守らなかった方が1名いて残念でした。
さて、今回の「秋祭」に対して夏の季語である「祭」との違いを詠み込んだ句が少なく、「祭」として詠んでも違和感のないような句が多かったあ様に思います。もう1点、季語の「秋祭」は「秋祭り」と「り」を振りません。この季語の間違いも目立ちました。但し、今回は「り」の付いた句も句意を重視していただきました。
では宗匠選と講評をさせていただきます。

□宗匠選と講評

(予選)

1.秋祭村にひとつの赤電話   卯平  →付かないと思います。
2.水飴をねだる吾子をり里祭  卯平  →平板です。 
3.追込みの復習ふ囃子や村祭  みさ  →もっとスッキリと「村祭囃子の稽古追込みとなり」
4.学童の神輿空ゆく秋祭    コタロー→イマイチです。
5.女子めがけ秋の祭の太鼓打つ コタロー→「好きな子へ叩く太鼓や秋祭」
6.秋祭り風のもたらす笙の笛  一二三 →説明的です。「秋祭風にからます笙の笛」
7.外人も笑顔で溶ける村祭   コタロー→「外人の笑顔も溶ける村祭」
8.行き摺りの村の鎮守や秋祭  比良山 →面白味が足りないと思います。
9.秋祭笛吹き女子秋子てふ   比良山 →中七に無理があります。
10.重機音暫し停むや秋祭    比良山 →余り良い取り合わせではありません。 
11.秋祭鉢巻きつく伊達男    樹   →動きます。
12.来し方の故山の浮かぶ秋まつり さかえ→「来し方の故山」→「来し方と故山」
13.秋まつり望郷募る笛太鼓  さかえ →平板です。
14.秋まつり無明を生きる覚悟もて 一二三 →具体的ではないのでボケた句に終わっています。
15.指切りの幼な日霞む秋祭  久米斗三→「幼な日」という表現に躓きました。また「霞む」は春の季語です。
16.秋祭露店も立ちて野末かな  久米斗三→平板です。中七の「て」留めは止めましょう。
17.東京が匂ふをみなら秋祭  久米斗三→「東京を纏うをみなら秋祭」
18.村祭り父の横笛とこしえに  みなと →「とこしえ」でしょうか?「村祭り父の横笛耳底に」
19.秋祭り捨てし都会に未練なく みなと →「都会を捨てる」?「秋祭り離れし都会未練なく」
20.今年また孫来ぬ秋の祭かな  みなと →動きます。
21.地歌舞伎に拍手喝采村祭  俳徊人 →「地芝居」は秋の季語です。
22.村祭大賑はひの鄙の里  俳徊人 →平板です。
23.団地族子を連れ覗く秋まつり 郁文  →「子を連れ覗く」→「子連れで覗く」
24.村民の刻を育む秋祭  暁   →平板です。
25.秋祭りの終えて道中伊勢音頭 暁   →「秋祭終え帰還の道も伊勢音頭」
26.邑なかを夕風通す在祭  一二三 →「邑なかを夕風とゆく在祭」
27.やまかはの奥まるかみや秋祭 すて  →「やまかはの奥なる神や秋祭」新人とのこと頑張ってください。
28.雀らも興味津々村まつり  祥風  →無理があります。
29.帯結び手伝う祖母の村祭  祥風  →動きます。
30.童心に返りて村の祭かな  樹   →「童心をまた呼び戻す村祭」 
31.定年を迎え顔出す村祭  祥風  →いまいちです。
32.笛を吹く異彩をんなの秋祭 本松天道→「笛を吹く異彩の女(おみな)秋祭」
33.秋祭響く囃子の過疎の村   まこと →平板です。
34.秋祭踊る手と手が触れあゐて まこと →現実として余りあり得ないことかと思います。
35.初恋の一番星よ里祭     川端  →甘いです。
36.孫じゃれて走り出し行く秋祭 川端  →平板です。
37.清風に消えゆく秋の祭笛   志水寿翠→「秋」と「祭笛」の季重ね「清風に乗りて消えゆく祭笛」
38.ご近所の並ぶ野菜や里祭   志水寿翠→「農協の野菜船あり里祭」
39.結ばれし赤き糸解く秋祭   源太  →「解く」?「結ばれし赤き糸引く秋祭」
40.マドンナや昔むかしの里祭  源太  →「里祭昔むかしのマドンナと」
41.結界はこの笛越ゆる村祭   源太  →「結界を越ゆる笛の音秋祭」
42.手のひらに掴む青空秋祭   ぐずみ →「手のひらで掴めぬ空や秋祭」
43.落ちあひしあの樹消え失せ秋祭 明人 →「落ちあひし大樹今なく秋祭」
44.被災地の復活はまだ秋祭   明人  →「被災地の復活いまだ秋祭」惜しい!
45.またしても同期不在の秋祭  東西南北→動きます。
46.褌の少年凛々し秋祭     寿典  →動きます。この内容が秋祭でなければならない必然性が見えません。
47.道祖神花新たなり里祭    穣一  →「道祖神の供華新たなり里祭」
48.秋祭り父の記憶の蓋が開く  ゆた  →動きます。
49.秋祭り遠回りする家路かな  貝寄せ →動きます。
50.篝火の燃え尽き終わる秋祭  貝寄せ →「秋祭終わる篝火燃え尽きて」
51.笛太鼓風雲急な村祭     照幸  →「風雲急」はちょっとオーバーかと。
52.晴天へ声突きあげる在祭   照幸  →平板です。
53.故郷の匂い残れる秋祭    東西南北→いまいちです。
54.外国語飛び交う村の秋祭   東西南北→都会ではいのに何故?という疑問が湧いてきます。
55.ぱらぱらと雨も賑わひ村祭  いつせ →よくわかりませんでした。
56.遠き日へ誘ふ笛の音秋祭   いつせ →「遠き日へ笛が誘ふ秋祭」この添削でも入選には届きません。
57.足生えた噂激走秋祭り    ゆた  →理解できませんでした。
58.秋祭り太鼓の腕は衰えず   もも一号→これも秋祭でなければならない必然性が見えません。
59.たこ焼きの薫る家路や秋祭り 貝寄せ →動きます。
60.秋祭笙篳篥はCDで      もも一号→動きます。
61.秋祭り母の作りし手こね寿司 もも一号→動くきます。
62.跡を継ぐ息子は十五村祭   もも一号→「笛を継ぐ息子は十五村祭」3句限定のルールは守ってください。
63.故郷の素朴な獅子舞秋祭り  弥生  →「獅子舞」は新年の季語です。
64.秋祭り終えて切り立つ塵芥  志水寿翠→切り立つ?「秋祭り終えて名残りの塵芥」

(入選)
1.綿菓子は天然色や村祭    卯平  →屋台の綿菓子に夢のような色を付けました。
2.たふさぎを祓うて京の秋祭  みさ  →収穫の後のお祝いのような秋祭です。
3.唐破風の廻り舞台や里祭   みさ  →舞台付きの立派な山車の出るお祭りのようです。
4.秋まつり農夫笛吹き村に老ゆ さかえ →年に一度の晴れ舞台で笛を吹く農夫の生き様が出ています。
5.襟足は母似の遺児と秋祭  太朗  →ドラマ性のある句です。上五が「襟足の〜」であれば秀逸でした。
6.故郷(くに)捨てたはずの男も村祭 影法師→これもまたドラマ性のある句です。捨てた後の人生を偲ばせます。
7.生バンド率ゐ息子の村祭  俳徊人 →祭りのイベントに話を転じて村祭の盛り上がりを思わせます。
8.廃校の庭に櫓や村祭  郁文  →かつて子どもたちが遊んだ校庭での村祭は郷愁を誘います。
9.秋まつり脇役撤す吹奏部  郁文  →このように搦め手から秋祭を詠むことで幅が生まれます。
10.よそ者も神酒振舞はれ村祭  暁   →祭りの大会本部や御旅所の様子を詠んでいます。
11.村祭なおらい後のしじまかな 本松天道→賑やかな祭の始まりの厳粛さが出ています。
12.幼な子も赤き腹掛け秋祭    本松天道→生まれたばかりの子供のお祝いも兼ねているのでしょうか。
13.新調の地下足袋ゆるく村祭  まこと →「ゆるく」が秋祭に付きます。この句も秀逸候補でした。
14.駅を出て瀬田川匂う秋祭   小倖  →川が匂うほどの風を感じる句です。  
15.明日発つと告げる人あり秋祭 川端  →秋祭に出会いと別れを絡めた情緒のある句です。
16.カラクリの見得に喝采秋祭  小倖  →秋祭には子供歌舞伎や舞台のある山車が出る祭が多くあります。
17.綿飴と遊ぶ飼い猫秋祭り   杏瑠莉 →綿飴と猫を遊ばせた可愛い句です。
18.月曜に禁酒を延ばす秋祭   杏瑠莉 →折角のお祭という雰囲気が出ています。
19.ふり向かぬ漢の背中在祭   ぐずみ →振り向いて欲しい人が振り向かないことで募る思いが出ています。
20.秋祭また悪童の一人減り   明人  →かつての悪ガキ仲間が亡くなったことを殊更思い出させる秋祭のようです。
21.秋祭母は張板仕舞けり    穣一  →日頃出している洗い張りの板を今日は仕舞う母。秋祭はそんな特別な日。
22.村祭り暗き商店街を練る   照幸  →地方のどこもシャッター街が増えています。
23.輿担ぐ腕逞し秋祭      寿典  →具体的で力強い句。但し秋祭である必然性が見当たらない句でもあります。
24.緋袴の巫女の鈴の音村祭り  もも一号→巫女の衣装と鈴の音が厳粛さと華やかさを演出しています。
25.秋祭こども心にさみしいと  すて  →ストレートでシンプルですが心にまっすぐ届く句です。
26.青い目も神輿を担ぎ秋まつり 弥生  →日本に来た外国人も珍しくない時代になりました。

(秀逸)
1.もう父のゐぬふるさとの秋祭 樹
  →故郷とは人だと思います。会いたい人、自分のことを知っている人がいるからこその故郷です。そこにもういるべき人のいない故郷の虚しさが秋祭に重ねられています。

2.秋祭り終えて見知らぬ街となり 杏瑠莉
  →徒然草の中の一節のような句です。祭は街も人も変えてしばしの異次元の空間を作ります。そんな夢から醒めた街が詠まれています。

3.きざはしを駆ける松明秋祭  寿典  
  →祭りの初めか終わりのクライマックスに松明が灯されて駆け抜ける行事があるのでしょうか。火という人間の本性を揺さぶる光が秋祭という神事の厳粛さと祈りを鮮明に語らせている句です。

4.秋祭荒れたる母の手に引かれ 穣一  
  →秋祭に連れ立って行った日の記憶の句です。日頃忙しく一緒に遊んでくれることもない母がこの日ばかりは一緒に行動してくれたのでしょう。働き詰めで荒れた母の手の手触りはガサガサとしていますがきっと暖かな手に違いありません。

以上で94句の講評を終えます。
新たな兼題はまた後ほど、
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